小児期の乳歯は、いつかは抜けてしまう歯です。しかし、痛がらないからといって、虫歯の歯を放っておいてはいけません。放っておくと、他の歯や永久歯にむし歯が移ってしまったり、永久歯の変色を起こすことがあります。また、永久歯の生える位置がずれてしまったり、生える力が無くなったりすることがあります。ですから、乳歯といえどもしっかりケアすることが大事です。
また、3歳以下のお子様は理性で恐怖心や、未知の出来事を我慢することができないと言われています。
無理やり押さえつけて治療をした場合、その出来事がトラウマとなって、強烈な恐怖心が残り、その後の治療に拒絶反応を示してしまい何歳になっても、治療に支障をきたしてしまうのです。
成人しても、この拒絶反応が残って「歯科恐怖症」といわれる状態になる事もあるのです。当医院ではお子様に痛み、ストレスを与えない範囲での治療を心がけています。
上記の理由により、当院では3歳以下のお子様で治療が困難で緊急性がない場合は、治療を行わない場合があります。
むし歯の治療に先立って、歯科に恐怖心を持たないよう虫歯治療ができるようになるまで、歯磨きの練習、治療の練習、フッ素塗布、シーラント、サホライド塗布などを行っていきます。また、むし歯を削り、歯の神経まで届きそうな時は、むし歯を完全には取らずに、神経に届く前で削るのをやめて詰め物をします。傷みがでたり、詰め物が取れたりした場合に、また削っていきます。
むし歯を取った後はほとんど全て歯科用の白いプラスチックを詰めます。銀歯のほうが、削る範囲が大きく、深さを必要とするためと、麻酔の必要な場合が多くなるからです。また、歯型を取るため、治療回数が一回増えてしまいます。しかし、銀歯のほうが耐久性があるので、噛み合わせの力がかかる場所や、成長して噛み合わせの力が大きくなった場合などで、プラスチックが度々取れるような場合は銀歯にすることもあります。痛みが強い場合、トレーニング効果が期待できない場合など、小児歯科の提携医療機関をご紹介させて頂く場合もあります。
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治療に対するマイナスイメージを与えないでください。
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・歯医者さんで注射してもらうよ!
・怖い先生のところに連れて行くよ!
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号泣したり、駄々をこねても、決して叱ったりしないでください。
どんなに些細なことでもかまいませんので、優しく励ましてあげてください。
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・今日は先生に上手にお口の中を見せてあげられたね!
・今日は歯医者さんまで お利口に行けたね!
・今日は頑張って歯を治してもらえたね!
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なるべくお子様の視界に入らないよう、診療台手前の白いイスに着席していてください。
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お子様の注意力が保護者の方へ向いてしまい、集中できなくなる場合があります。
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治療中はお子様に話かけないようにしてください。
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お子様に対する声掛けにより、不意に顔や体を動かす(保護者の方を見る)などが起こり、危険な場合があります。
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治療中はお子様の手助けをしないようにしてください。
(コップを取ってあげる、体を起こしてあげる、口を拭いてあげる等)
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お子様が保護者の方を頼ろうとする気持ち、助けてもらいたいと思う気持ちが増幅され、歯科医師、歯科衛生士の注意、指示を受け付けなくなったり、泣いて治療から逃避しようとする場合があります。
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※3歳以下のお子様、しっかり治療の受けられるお子様の場合はこの限りではありません。